禁止事項
派遣先事業主は、立場上派遣先事業主より強い場合が多いので様々な規制を設けてあります。派遣労働者を受け入れることができない業務、派遣可能期間などの範囲が定められています。
派遣禁止業務に従事させることの禁止
労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に当該労働者派遣に係る派遣労働者を次のいずれかに該当する業務に従事させてはなりません。
- 港湾運送業務
- 建設業務
- 警備の業務
無許可事業からの派遣受け入れの禁止
労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣元事業主(労働者派遣法の規定による許可を受け、または届出書を提出した事業主)以外の労働者派遣事業を行う事業主から、労働者派遣の役務の提供を受けることはできません。
派遣可能期間を超える派遣受け入れの禁止
派遣先は、原則として、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から次に掲げる派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けことはできません。
- 派遣先が1年を超え3年以内の範囲で継続して労働者派遣の役務の提供を受ける期間として定めた期間
- 1の定めがない場合は1年
しかし、次の業務に関しては労働者派遣の役務の提供を受けることができる期間についての制限はありません。
- 業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務、あるいはその業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務(いわゆる26業務)
- 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であつて一定の期間内に完了することが予定されているもの、またはその業務が1か月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数に比し相当程度少なく、かつ、10日以下である業務
- 当該派遣先に雇用される労働者が、産前産後休業、育児休業、介護休業その他厚生労働省令で定める休業をする場合における当該労働者の業務
26業務とは?
- コンピューターのシステム設計の業務
- 機械等の設計・製図の業務
- 放送番組の制作のための映像機器等の操作の業務
- 放送番組の制作における演出の業務
- 事務用機器の操作の業務
- 通訳、翻訳、速記の業務
- 秘書の業務
- ファイリングの業務
- マーケティングの業務
- 財務処理の業務
- 外国貿易等に関する文書等の作成の業務
- コンピューター、自動車等の性能、操作方法等に関する紹介及び説明の業務
- ツアーコンダクターの業務
- 建築物における清掃の業務
- 建築設備の運転、点検等の業務
- 建築物における受付等の業務
- 科学研究開発の業務
- 企業における事業の企画、立案等の業務
- 図書等の制作における編集の業務
- 商品・広告等デザインの業務
- インテリアコーディネーターの業務
- アナウンサーの業務
- OAインストラクションの業務
- テレマーケティングの業務
- セールスエンジニア及び一定の金融商品の営業の業務
- 放送番組等に係る大道具・小道具の業務
ただし、上記26業務に関しても労働者派遣契約は最長3年までなので、労働者派遣契約を更新する必要はあります。